2011年7月9日土曜日

Pink SUBARU


Title: Pink SUBARU
Release Date: 2010
Country: Italy and Japan
Director: Kazuya Ogawa
Producer: Mario Miyakawa, Keisuke Tanaka, and Hideyuki Miyakawa
Cast: Akram Telawe, Lana Zreik, Michal Yanai, Dan Toren, mantaro Koichi, Nozomi Kawata, and others



この星でもっともグレーな地域の国々が、じんわりピンクに見えてくる。おしゃべりで、とってもマジカルな映画です。」片桐はいり(俳優)


いくつかあるこの作品の推薦文の一つから引用させていただきました。私がこの作品を観て思った感想そのままで、この言葉が素晴らしくとても心に響きました。


この映画はイスラエルとパレスチナ境界に実在する "車泥棒の街" を舞台にした作品です。

現在、中東といえばテロや政治的な問題に関するニュースばかり報道されているので、どうしてもそういうグレーなイメージがつきまといますが、この作品はメディアでは知る事ができない、紛争地での瑞々しい日常を映画化したものであります。

タイトルにもなっている "SUBARU" はもちろん日本の車メーカーの一つです。

この映画の舞台にもなっている中東イスラエルでは、70年代からの近代化に伴い、急速に自動車社会にシフトする必要があったのですが、多くの自動車メーカーは市場の大きい近郊アラブ諸国を重視し、イスラエルへの輸出を躊躇していたみたいです。その時に、日本の富士重工(SUBARU)だけがイスラエルとの輸出取引に乗り出し、結果として当時のイスラエルにおけるスバル車のシェアは80%以上だったそうです。

そういう歴史の背景をベースに、この作品はスタートします。

パレスチナとの境界に近いイスラエルの通称「車泥棒の街」と呼ばれているタイベで、主人公のズベイル(アクラム・テラーウィ)が愛する妹の結婚が近づく中、20年間働いてためた金で夢にまでみたメタリックブラックの日本製スバル・レガシィを購入しました。そしてその車で妹を式場まで送り届けることを彼は夢みていたのですが、納車して間もなく大切な新車は盗まれてしまう…。

その車を探しに街から街へ、周りの人を巻き込み、身内の手助けをうけて盗難された車の捜索が始まります。

ストーリーは主にそんなとこです。

ただこの映画の一番の見どころは、やっぱりこの作品を撮った小川和也監督がおっしゃられている戦争や政治のイメージしかもたれていない国でも普通の日常は間違いなくあるということ。

だからあえてこの映画には全くといっていいほど、政治的要素は入れないようにしていたみたいです。

本当におもしろおかしく日常的な生活を描写した内容をみていると、文化や宗教はもちろん違うけど、大切な誰かを想ったり、誰かの為に行動を起こしたりすることは、国が変わっても本質はなんら変わりないんですよね。

やっぱりこういう事実を知らないと、メディアで報道されたままの情報を鵜呑みして、真実を見落としてしまう結果になりかねません。

今の世の中、ある意味自由すぎるぐらい自由なので、自分たちが知らないことでも、本や映画や音楽やARTなど様々なフィルターを通して、現在の報道メディア以上に真実の姿を映してくれるものってあると思うんですよね。

私はそう思っています。


あっ、ちなみにこの作品現在梅田のガーデンシネマで上映されています。

別にまわし者でもなんでもないです 笑。

ただ好きなんですよ。

2 件のコメント:

  1. 場所、人種は違えど日常生活における行動や人間性は変わらないものですね。ついつい日常での日本の常識に囚われてしまっている自分がいました。。

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  2. >shogo itoさん

    確かに・・・ 日本の常識は決して世界の常識ではないし、一方で世界の常識は日本の常識とはかけ離れているんですよね。でも人間はみな同じ。やっぱりONE LOVEです。

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